バラにはトゲはつきものですが、実際に栽培してみるとなかなか厄介なものです。トゲが手に刺さって痛い思いをしたり、服にトゲが引っかかって穴を開けてしまったり、トゲによる失敗は日常茶飯事です。
そこで、ここではトゲの少ないバラを8品種紹介いたします。いずれも耐病性が高く、初心者でも問題なく育てられるものばかりです。
赤色のバラ
「ヤングリシダス」
2008年作出のイングリッシュローズです。
花色は濃い赤紫〜赤です。
花径9センチの花が3~5輪の房になって咲きます。咲き始めはカップ咲きで咲き進むとロゼット咲きになり、黄色いしべが見えます。
ダマスクとティーの強い香りがあります。
樹高1m程度とあまり大きくならず、樹形は半横張り性です。枝はしなやかでトゲが少なく扱いやすいバラです。
四季咲きで秋もよく咲きます。
とがった葉は光沢がありごわごわとしており、黒星病・うどん粉病に強いです。
ピンク色のバラ
「ナエマ」
1998年デルバール作出のつるバラです。しなやかな枝が2〜3m程伸びて大きくなります。トゲが少なく扱いやすいです。
花色はサーモンピンク寄りの淡いピンク色で花径8センチのカップ咲き。数輪の房咲きになります。
花つきがよく、花持ちも良いですが、花弁は雨で傷みやすいです。
四季咲きですが、秋の花数は少なく、やや遅咲きです。
ダマスクとフルーツの強い香りがあります。フランスの香水メーカー、ゲランの限定香水の名前から命名されました。
「ケルナーフローラ」
2014年コルデス作出のバラです。コーラルピンクの華やかな大輪の花が咲きます。
花径8センチの丸弁カップ咲きです。
四季咲き。ダマスクとティの強い香りがあります。つるバラで2.5m程伸びます。トゲが少なく扱いやすいです。
樹勢が強く、濃い緑色の照り葉は黒星病・うどん粉病になりにくい特徴があります。
花名はドイツのケルン植物園より名付けられました。
白色のバラ
「クリスティアーナ」
2014年にADR認証された耐病性の高いバラです。
花径8センチのカップ咲き。花の中心はピンクで外側は白く、花弁がギュッと詰まった豪華な花です。房になってゆっくりと開花します。
写真は11月中旬のものです。
四季咲き。シュラブ〜つるバラで2m程伸びますが初期成長はゆっくりです。トゲが少なく扱いやすいです。
下の写真右の太い茎にトゲはほとんどありません。
国際コンクールで芳香賞を受賞するほど香りが良く、レモンのような香りと言われます。
「スノー・グース」
1996年作出のイングリッシュローズ。新しい品種ではないが今でも人気があります。
花径5センチのポンポン咲き。
中心の黄色いしべが見え、房咲きですが塊にならず一花、一花がはっきりと見えます。
春は30輪位の大きな房になり、秋は10輪位の房で咲きます。秋の花付きも良いです。
花つきが良く、満開時には株が花で覆われるようです。
初期生育は穏やかだが株に力がついてくると樹勢が強くなります。
鋭いトゲが少なく、枝は細くしなやかで扱いやすいです。
実がなりやすいため花がら摘みを頻繁に行う必要がありますが、放っておいてローズヒップを楽しむこともできます。
高温乾燥時にハダニの害を受けやすい以外は病気に強く育てやすいバラです。
紫色のバラ
「令の風」
2020年に京成バラ園から発表されました。
四季咲き。花径10センチの淡いラベンダー色の花が房になって咲きます。
咲き始めはカップ咲きで、咲き進むと平咲きになります。
トゲが少なく扱いやすいです。
樹高1,5mの直立性の樹形。枝が暴れません。
黒星病に強く、月1回程度の薬剤散布をすればきれいな葉を保つことができます。
2020年第18回ぎふ国際ローズコンテスト金賞を受賞しています。
黄色のバラ
「レヨン・ド・ソレイユ」
2015年ADR認証。
花付きがとても良く、房になって咲きます。実が付きにくく、咲きがら切りをしなくても次々に咲きます。
直立性の株はとげが少なく扱いやすいです。
樹高1mとコンパクトなため鉢植えにも向きます。
花径6センチ。丸弁八重咲き。
四季咲きで秋もよく咲きますが、香りはあまりありません。
その他の色のバラ
「エドゥアール・マネ」
淡い黄色に明るいピンクの絞りが華やかなデルバールのバラ。
花径8センチのカップ咲き〜ロゼット咲きで、花弁の先に切れ込みが入ることがあります。
ダマスクにフルーツの中香。
トゲが少なく枝はしなやかです。
樹高1.8mと枝がよく伸びるので、アーチやフェンスなどの仕立てに向き、家庭用のアーチにちょうど良いサイズです。
強く切り戻しても咲き、花壇でも楽しめるバラです。
花名は19世紀のフランスの画家から。
以上、トゲの少ないバラ8品種でした。どのバラも耐病性が高く、栽培の手間がかからないものばかりです。バラ選びの参考にしていただければ幸いです。
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