G-WGE34CW6XGcontent_copy

バラ初心者が栽培したアブラハム・ダービー①カタログ落ちの廃盤イングリッシュローズ

バラ栽培を始めて3年。初心者向けのバラだけ栽培しています。

アブラハム・ダービーはどんな花?

イングリッシュローズの人気品種

1985年と35年以上前に作出されたバラです。アブラハム・ダービーという名はイギリスの産業革命の先駆者の名だそうです。

下の写真は10月下旬にぎふワールド・ローズガーデンで撮ったものです。樹高1.5m程の大きな株です。

樹高1.5mは実際に見ると結構高いです。庭のバラが全て本当にこんな高さになったら大変です。よほど大きな庭でないと圧迫感が凄そうです。最近はコンパクトなバラが人気ですね。

カタログ落ち

古い品種、人気のない品種はデビッド・オースチンのカタログからその名を消しますが、このアブラハム・ダービーも名を消し、いわゆる「カタログ落ち」してしまいました。カタログ落ちするということは生産終了を意味します。

写真は5月に咲いた花です。こんなに美しい花なのにカタログ落ちするなんて残念です。

もうデビッド・オースチンのHPからは買えませんが、他のバラ苗を扱うショップから購入することは可能です。でも最近、大手ショップの「バラの家」がもうカタログ落ち品種を扱わないと発表したので、これからは入手がさらに難しくなりそうです。

下のショップではまだ手に入るようです。

入手可能なバラの中でアブラハムダービーに似ているのはロサオリエンティスのトロイメライかも?と思います。花持ちが悪く強香な点も似ています。こちらは無農薬でも栽培可能だということです。

栽培して気付いたアブラハムダービーの魅力

早咲き

5月になるとバラが一斉に咲くと期待しますが、実際にほとんどのバラが咲くのは5月の下旬だったりします。そんな中このバラは4月の下旬に一番花が咲きます(関東以西)。

遅咲きのバラがまだ硬い蕾をつけているときに咲く早咲きのバラは嬉しいので印象に残りやすいです。

下の写真は9月下旬のアブラハム・ダービー です。秋も他のバラより早く咲きます。

良く咲く

ほぼ完全な四季咲きで花つきが良いです。晩秋まで良く花を咲かせてくれる頼もしいバラです。

写真は一番花です。

下の写真は6月に咲いた二番花です。

下の写真は10月上旬の花です。春よりも小さな花ですが形が美しいです。

11月中旬の花です。きれいなロゼット咲きになりました。こういう美しい花の形はずっと見てしまいます。秋は虫もいませんし。

香りが強い

フルーツ系の強い香りがあります。レディ・エマ・ハミルトンジュード・ジ・オブスキュアと同じくらい強い香りです。これらの香りの強いバラは、バラの近くを通るだけで香りに気付きます。

写真は5月上旬のレディ・エマ・ハミルトンです。強いフルーツ系の香りです。レディ・エマ・ハミルトンはもう廃盤になってしまったのでこれから手に入りにくくなります。今はまだ販売しているようです。

下の写真は秋のジュード・ジ・オブスキュアです。フルーツ系ですが、もう少し複雑な、発酵しているような香りです。

コルデスの耐病性の高いバラなどでは香りがあまりないものもありますが、イングリッシュローズは香りを重視しているようです。コルデスのノヴァーリスは藤色の花が美しく、耐病性も高いですが、香りがほとんどありません。花が美しければ別にいいような気もしますが、アブラハム・ダービーの香りを嗅いでしまうと、やっぱり香りの強いバラがいいなあ、と思ってしまいますよね。

5月に咲いたノヴァーリスです。

栽培して気付いたアブラハム・ダービーの欠点

黒星病になりやすい

最近の耐病性に優れたバラに比べると、やっぱり黒星病になりやすいです。黒星病にかかって葉を落としてしまっても、蕾をつけ花は咲きますが、きれいな葉がないと美しさが半減してしまいます。

下の写真は10月下旬の花です。夏に黒星病で葉を落としてしまって心配しましたが、復活しました。

月に2回位の薬剤散布できれいな葉を保つことができますが、月に2回は実際にやってみると多いです。特に、黒星病が多発する梅雨時や、気温が比較的高いときは、ついつい薬剤散布をサボってしまいます。で、少しサボるともう、葉に黒い点々が浮かんでいます。黒星病にかかっても花は咲きますが、葉が汚いと全体の美しさが減ってしまいます。

トゲが多め

トゲ自体は小さいですがトゲの数が多いです。株の前を通るとき、誘引の際などに引っかかりやすいトゲです。

こんな方におすすめ

大きくて豪華な花が好き

花は花径10センチの大輪で、花弁の数が多く豪華です。花弁がギュッと詰まった大きな花が咲くためとても華やかなバラです。

下の写真は10月中旬のものです。大きな花が咲きました。アブラハム・ダービーは細い枝でもちゃんと大きな花が咲きます。ただ、細い枝の先に重い花が咲くのでうつむいてしまいます。

アブラハム・ダービーの子にあたるゴールデン・セレブレーションもよく似た大きくて豪華な花です。色は黄色ですが、花の大きさはアブラハム・ダービーよりも大きめです。

写真は4月に咲いたゴールデン・セレブレーションです。花の咲く時期もアブラハム・ダービーと同じくらいで少し早咲きです。

ゴールデン・セレブレーションの子、アブラハム・ダービーの孫にあたるのがイングリッシュローズのジュビリー・セレブレーションです。こちらも豪華で華やかなバラです。

写真は5月に咲いた花です。大輪の大きな花です。

下の写真は4月下旬に咲いたイングリッシュローズのトーマス・エイ・ベケットです。この花がいちばん大きいかもしれません。咲き進んでも褪色せず、花弁が開いてさらに大きくなります。

きれいなバラですが、販売しているショップが少なめです。人気がないのでしょうか?

花色が変化するバラが欲しい

咲き進むにつれて花色が変化していきます。また気温によっても色が変わり、暑いと赤みが強く、涼しいとピンクが強くなります。

春の花は気温が高いため、オレンジ色に近くなります。写真は5月の花です。

秋の花は、気温が徐々に低くなっていくため、蕾は赤で咲き始めは赤みの強いアプリコット色で、徐々にピンク→浅いピンクへと変化します。

雨の後の赤い蕾です。形が崩れています。

10月中旬の花です。少し小さめですが、きれいに咲いてくれました。

10月下旬。気温が低くなり、花色がローズピンクになっています。雨で花弁が傷んでしまいました。

冬の赤い蕾です。

1月下旬になりました。少しだけ花が開きました。もうそろそろ剪定をしないといけません。

1月下旬、上の写真から数日後です。花が開いてきました。これがこの冬最後の花になりました。

初心者へのおすすめ度

★★★☆☆

大きくて豪華な花が好きな方にとてもおすすめのバラです。花弁の数が多く、大輪で見栄えがします。アプリコットピンクの花色も美しく、香りも強いです。

下の写真は11月下旬の花です。

11月上旬の花。

切って部屋に飾るとその姿と香りで部屋が明るくなるようです。ただ、他のイングリッシュローズ同様、花持ちが悪く、2日ほどで花弁が一気に落ちてしまいます。

10月下旬の写真です。こんな感じで花弁がバサッと落ちます。

2週間に一度の薬剤散布を続けられるのならきれいな葉を保てますが、そうでなければ黒星病になりやすいです。そのため、栽培の手間という点ではおすすめ度は低くなります。ただ、花の美しさと香りの強さはイングリッシュローズの中でもトップクラスではないか?と思います。

カタログ落ちしてしまったことで手に入れにくいバラになってしまいましたが、もし手に入れられる機会があれば、是非栽培していただきたい魅力的なバラです。

春の一番花・地植え編アブラハム・ダービー 栽培記録はこちら(アブラハム・ダービー③地植え)

春の一番花・鉢植えアブラハム・ダービー 栽培記録はこちら(アブラハム・ダービー④鉢植え)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です