バラ栽培を始めて3年。初心者向けのバラだけ育てています。
ザ・ミル・オン・ザ・フロスはどんなバラ?
イギリスの有名小説の題名
イギリスの小説家ジョージ・エリオットの「フロス河の水車場 The Mill on the Floss」から名付けられました。ジョージ・エリオットは男性名ですが実は女性で、彼女の小説の題名を冠したイングリッシュローズは他にサイラス・マーナー があります。
ジョージ・エリオットは、女性作家がその実力を認められることが困難な時代だったために、男性名で小説を発表しました。
「フロス河の水車場」はジョージ・エリオットの自伝的小説とも言われます。
「フロス河の水車場」の中で、女性だという理由で兄のような教育を受けられない、主人公の頭脳明晰な女性マギーが、ジョージ・エリオットの姿と重なります。
イングリッシュローズの新品種
2018年発表の新しいイングリッシュローズです。イングリッシュローズといえばアブラハムダービーなど30年以上前のバラが今でも人気です。でも、古い品種は今の基準で考えると耐病性が劣るものも多く、育てにくいと感じることもあります。
その点、新しい品種は耐病性に優れ、特に黒星病に強いものが多いので、簡単に育てられます。
ザ・ミル・オン・ザ・フロスも耐病性の高い新しい品種なので育てやすいです。実際に育ててみて、黒星病にとても強いと感じます。
花は小さめのディープカップ咲き
大きめの花が多いイングリッシュローズの中で、この花は小さめです。いわゆる典型的なイングリッシュローズの豪華な花とは異なった雰囲気を持ちます。
小さいですが整った花で、ディープ・カップ咲きでカップ&ソーサーの花形も見られ、花の中央にボタンアイも現れます。
栽培して気付いた「ザ・ミル・オン・ザ・フロス」の魅力
黒星病に強い
黒星病になりにくいです。月1回程度の薬剤散布でもきれいな葉を保つことができます。隣に植えたプリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケントは同条件下で黒星病に罹り葉を落としてしまいましたが、このバラはきれいな葉を保っています。
プリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケントは大輪で濃ピンクのとても美しいイングリッシュローズですが、作出年度の新しいザ・ミル・オン・ザ・フロスに比べると病気に弱いと感じます。
栽培したプリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケントです。ジュビリー・セレブレーションに似ていますがジュビリー・セレブレーションは花色に黄色味が混ざり温かい花色です。
下はジュビリー・セレブレーションです。花弁の根元が黄色です。ジュビリー・セレブレーションの栽培記録はこちら。
下の写真は9月中旬のザ・ミル・オン・ザ・フロスです。後ろの方は雑草です。夏は暑いので庭の手入れを怠りがちですが、このバラは雑草に負けないでこんなに元気に育っています。
真夏はつい2〜3ヶ月程薬剤散布を怠ってしまいます。他のバラは黒星病と暑さで葉を落としてしまうのですが、このバラは葉を落としません。元気に茂っています。これがイングリッシュローズかと驚くほどです。コルデスのバラのようです。
写真は10月中旬の花です。
樹勢が強い
樹勢も強くよく育ちます。去年植えたコルデスのノヴァーリスに迫る勢いです。
品種の説明には樹高1.4mとありますが、大苗を植えて1年目の夏にもう1.4mに届きました。成長がとても早いです。
トゲが少なめ
トゲが小さく、少ないため、扱いやすいです。
下はトゲの大きいサマー・メモリーズ の株元です。トゲが大きく多いバラは扱いにくいので、トゲの少ないバラはありがたいです。
栽培して気付いたザ・ミル・オン・ザ・フロスの欠点
秋の花数が少ない?
完全四季咲きで秋もよく咲くバラが増えてきている中、このバラは秋の花数が少なかったです。ポツリ、ポツリとしか咲きませんでした。まだ若いからかもしれません。
こんな方におすすめ
手間をかけずにイングリッシュローズを育てたい
定期的な薬剤散布を怠っても黒星病になりにくく、栽培に手間がかかりません。夏の暑さにも強く、夏バテで葉を落としたりしません。
強いバラは育てやすく、栽培の手間がかかりません。
小さめのピンク色の花が好き
花は小さめですが、きれいなディープ・カップ咲きです。カップ&ソーサーにもなります。形は典型的なイングリッシュローズの花形なのに、サイズが小さいのが可愛らしいバラです。
初心者へのおすすめ度
★★★★★
病気になりにくく、葉もよく茂り健康的。薬剤散布の手間もそれほどかかりません。花は小さめですがディープ・カップ咲きで可愛らしいです。
デビッド・オースチンのHPの説明では「非常に返り咲く」とありますが、完全四季咲きのバラのように春から冬までいつも咲いている感じの咲き方ではないような気がします。
四季咲きではなく、返り咲きという点が少し気になりますが、強くて美しい、初心者におすすめのバラだと思います。
この後の栽培記録はこちら(ザ・ミル・オン・ザ・フロス②)
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