バラの鉢植えを一回り大きな鉢に植え替えることを「鉢増し」と言います。
鉢増しをすることで土の量が増え、根を増やすことができるため、株が大きく花も多くつきます。鉢から根がはみ出ていたり、株が成長して鉢が小さく感じられるときは鉢増しをしましょう。
鉢増しできるのは根鉢ができている(苗を鉢から取り出しても土が崩れない状態)ときのみ。土が崩れるときは、購入したときの鉢のままでしばらく育てましょう。
用意するもの
- 今より一回り大きな鉢(現在、6〜7号の鉢に植えてあれば、8〜10号の鉢を新しく用意)
いきなり大き過ぎる鉢に植え替えるのはNG。株に対して大きすぎる鉢は、根が張っていない土の部分に水が溜まり、根腐れしてしまうからです。
- バラ用培養土(6号鉢から8号鉢への植え替えの際は、約4リットル、6号鉢から10号鉢へは約6リットル必要)
- 有機肥料(規定量)
- 根切り(園芸用ナイフ)(必要に応じて)
- 鉢底ネットと鉢底石(必要に応じて)
今回は鉢底石とネットは使わず、また、土に「ベニカXガード粒剤」を混ぜようと思います。
土は「バラの家」の培養土、有機肥料は「ローズショップ」の「バラ専用ぼかし肥料」を使います。
培養土の準備
培養土と「ベニカXガード粒剤」をよく混ぜます。
「鉢増し」スタート
購入時の鉢は6号ポットのことが多いです。今回はこれを10号の大きさの鉢に植え替えてみます。
① 鉢から苗を抜く
古い鉢の底から根がはみ出ているときは、そのままでは株が鉢から抜けないため、はみ出た部分の根をハサミかナイフで切り取ります。
古い鉢から株を抜きます。このとき、土を崩さないように気をつけましょう。できるだけ根を傷つけないように丁寧に行います。
プラスチック鉢の場合、鉢の周りを外側から手や膝で押して少しへこませると抜けやすくなります。
テラコッタ鉢などは外側から叩いたり、鉢の内側に沿ってグルリと根切り(園芸用ナイフ)を入れると抜けやすくなります。
プラスチック鉢は外から押してへこませると簡単に抜ける。
根がしっかり張って、鉢から出したときに土がくずれない(=根鉢ができている)状態の苗。
② 鉢底にネットと鉢底石を入れる(必要な場合のみ)
必要に応じて鉢底に鉢底ネットと鉢底石を敷きます。
鉢底の中央に穴が開いているタイプの鉢は、鉢底ネットを敷いて土が漏れるのを防ぎます。このとき、銅製のネットを用いるとナメクジ避けに効果があります。
鉢底に大きな穴ではなく何本かのスリットや何個かの小さな穴が開いているタイプの鉢の場合はネットは必要ありません。
また、排水性が比較的劣るテラコッタ鉢などを用いる場合は鉢底石を入れます。鉢底ネットが袋状になり、中に鉢底石が入っているタイプもあります。
鉢底ネット・鉢底石が不要な鉢もあります。今回は、鉢底ネット・鉢底石が不要な鉢を使用します。
鉢底ネット・鉢底石は必要に応じて。
③ 培養土と肥料を入れる
培養土を鉢底から4〜5センチの高さまで入れます。その上に有機肥料を規定量入れます。
肥料が直接根に当たらないよう、肥料の上に培養土を足します。
④ 苗を新しい鉢に入れる
休眠期の鉢増しの場合は、土を少しほぐし、新しい土とのなじみをよくします。しかし、生育期の鉢増しの場合は、土を崩さず、根を傷つけないように注意して行います
生育期に古い鉢から抜いた苗は、土を崩さない。
古い鉢から抜いたバラの苗を土の上に置いてみて、土の表面が、新しい鉢の上から3~4cmくらいのところになるように土の量を調整します。
バラの株元に接ぎ木テープが付いている場合は(無いこともある)これを取ってから植えつけます。
鉢の中心に苗を置き、株と鉢の隙間に培養土を流し込みます。このとき、土を押し込もうと、隙間に指を押し込んだりはしません。土の間に空気が含まれるようにします。
苗の接ぎ口が土から出るようにします。また、土は鉢いっぱいに入れるのではなく、ウォータースペースを確保します。
「ウォータースペース 」とは、鉢の上部の土が入っていない部分のこと。水やりの際、この部分に溜まった水が土に染み込む。この部分が少ないと、土全体に水が行き渡らないため、根が土全体に張らなくなってしまう。
⑤ 水をたっぷり与える
ウォータースペースいっぱいに水を与えます。このとき、土の目が詰まってしまわないように、水圧を高くしすぎないことが大切です。
ウォータースペースの水が全て土に染み込んだら、もう一度水を与えます。
これで生育期の「鉢増し」の作業は終わりです。初めての作業でしたが、1鉢あたりだいたい15分くらいで行うことができました。
バラの鉢が少し小さく感じたら、「鉢増し」を検討してみてはいかがでしょう?みなさまのバラ栽培の参考になれば幸いです。
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